年 頭 挨 拶
新年おめでとうございます。
安倍政権が誕生して3年が経過しました。日本経済は、デフレから脱却できず、昨年4月以降マイナス成長に陥り、特に地方と中小企業には波及効果が少ないアベノミクスは破綻したといえます。
そこで、政府は昨年、新たに少子高齢社会に挑むためとして、「新3本の矢」(GDP600兆円、希望出生率1・8、介護離職ゼロ)を唐突に掲げました。さらに、「一億総活躍社会」という、わけが分からず実態の見えない社会像を打ち出してきました。これは、まさに、アベノミクスが破綻したことから国民の目をそらすとともに、政権の維持・延命を狙ったものです。したがって、大事なことは、安倍政権の維持・延命策としての政策ではなく、国民生活の維持・改善に向けた政策を実現させることではないでしょうか。
第一に、賃金引上げと雇用の安定です。安倍首相は、今年の春闘においても経済界に対し賃金引上げを要請しました。2013年春闘から4年連続の賃金引上げ要請であり「官製春闘」と揶揄されるゆえんです。この間の春闘では、地方や中小企業の賃金は、大都市や大企業との格差が拡大する一方であり、「官製春闘」の限界が明らかになっています。企業全体の9割を占める中小企業に働く労働者の賃金引上げがなければデフレ脱却や格差是正はあり得ません。連合山形としては、中小企業労働者の賃金引上げ・格差是正に全力を挙げて取り組みます。そのために、中小企業労組に対する支援・連携を強化しながら個別労使交渉を強めるともに、経営側との対話を強め、行政に対しては一層の中小企業支援を求めていきます。また、地域活性化に向けた「地域フォーラム」を開催しながら春闘の社会的役割を広めていきます。
第二に、「給付型奨学金制度の導入と教育費負担の軽減」を求める取り組みです。昨年から山形県労働者福祉協議会として、連合山形と連携して取り組んでいます。大学の学費高騰と家計収入の減少により、今や大学生の2人に1人が何らかの「奨学金」を利用し、不安定雇用や低賃金労働の拡大により、卒業しても返済に苦しみ、返済できない人たちが増加しています。
こうした状況が続けば、貧困の連鎖にとどまらず、「中間層」も結婚・出産・子育てが困難となり、少子化や人口減少を加速することとなります。未来を担う若者を全体で支え「持続可能な社会」にするために、奨学金制度改善と教育費負担軽減の取り組みを連合としても強めていきます。
第三に、政治闘争の取り組みです。とりわけ、今年7月の参議院選挙について、昨年秋の通常国会での労働者派遣法改悪や安保法問題など安倍反動政治・暴走政治に歯止めをかけるとともに、国民生活や地方を大事にする政治の実現に向けたたたかいです。政治は私たちの働き方や暮らしと直結しています。たとえ、「政治に無関心であっても、決して政治と無関係にはなりえない」のが現状です。政治の振り子を揺らすのは私たち有権者の投票行動です。
そのために、比例代表について、各産別組織内推薦候補全員の必勝に向けて連合総体の力を発揮して取り組みます。
県選挙区について、連合山形としては非自民でまとまってたたかい得る候補者として、「舟山やすえ」さんを推薦してたたかうことを決定しました。民主党が無所属候補として擁立した「舟山やすえ」さんについて、民主党・社民党と連携し、今の安倍自民党政権では「ダメ」という有権者を総結集して勝利しなくてはなりません。そして、解散もあり得る衆議院選挙や県知事選挙につなげていこうではありませんか。
今年は、実り多き年になりますようご祈念申し上げ、挨拶とします。