明けましておめでとうございます。
昨年は、モンティデイオ山形のJ1復帰、天皇杯準優勝、山形中央高校の甲子園での活躍や出身者のプロ入り、様々な観光イベントの成功など、山形県民が一体となった一年、山形の名を全国に発信した一年でした。吉村知事が年頭に発信力の強化ということを強調されましたが、大変すばらしい一年だったと思います。
年末には突然の解散総選挙がありました。組合員・家族、OBの皆さん、多くの県民のご支援ご協力により、二区の近藤衆議院議員の議席を確保できました。心から感謝申し上げます。自民党が圧勝したとはいえ、選挙前よりは5議席減り、比例の絶対得票数は有権者の二割にも満たないのが実態ですし、自民党への支持は積極的支持ではなく、野党のふがいなさによる消極的支持であることも明らかになっています。国民は、安倍政権への対抗軸をはっきりした上で、与党の補完勢力ではない、選択肢となり得る野党の再編や野党共闘を求めています。
安倍総理は選挙直後の記者会見で、アベノミクスの継続、消費税10%の2017年4月実施、労働者保護ルールの規制緩和、集団的自衛権の解釈改憲など自民党の政策全てが信任を得た、国民からこれらの政策をより強力に進める推進力をもらったという認識を表明しました。併せて、憲法改正に向けた歴史的チャレンジをしていくということも明言しました。今年は戦後70年という節目の年になりますが、若い人と一緒に日本国憲法と自民党憲法改正案を対比する学習の取組みが求められています。
このような状況にどう立ち向かっていくか。解散総選挙直前に若者に対して行ったある意識調査によると、日本が目指す方向としてトップになったのは「結婚や子育てといった基礎的な人間生活が保障される社会」だそうです。政治的な話題への関心度では、消費税先送りを筆頭に年金、雇用、医療、福祉など身近な話に4割前後が関心ありと答え、アベノミクスはようやく6位でした。若い人たちの政治意識や関心に焦点をあてた運動、若者が参加する運動の構築が求められる2015年だと考えます。
第一に、賃金引上げと安定雇用の確保です。安倍総理が経済界に賃上げ要請をしたことから、再び官製春闘と揶揄されています。しかし、昨年の春闘は、地方や中小企業の賃上げは大手との格差が開いており、官製春闘の限界が明らかになっています。中小においても、自らの手で闘いとる春闘にしなければなりません。企業全体の99%を占める中小企業の賃上げがなければデフレ脱却や格差社会の是正はできません。若い人が結婚、子育てができる賃上げをしなければ人口減少、少子化に歯止めをかけることはできません。連合山形としては、これまで積み重ねてきた経営者団体との対話をより深めつつ、大手企業に対して下請け代金の改善を求め、行政に対しては一層の中小企業支援を求め、全県での春闘キャラバン行動で県民の理解を得ながら、個別の労使交渉をより強めていきたいと考えています。
また、安定雇用を図るためには、正規雇用を増やし、労働者保護ルールの改悪を阻止しなければなりません。長時間労働が蔓延し、過労死が多発し、メンタル疾患の増加に歯止めがかかっていません。ブラック職場やブラック企業を認めることになる労働者保護ルールの改悪を認めるわけにはいきません。職場での取り組みと全国キャンペーンの強化を図ります。
第二に、セーフティーネットとしての社会保障制度の充実です。社会保障制度の充実のために引き上げられた消費税が、大半が赤字の穴埋めに使われ、これまで赤字を穴埋めしていた税金を公共事業費などに回すという姑息な手段が使われています。まさに、ごまかしのテクニック、ここに極まれり、です。年金制度、医療保険制度、介護保険制度を支えるのは若い人たちです。若者の不信感を取り除く年金制度、子育て支援の充実が急務だと思います。
最後に、今年4月の統一自治体選挙、9月の山形市長選挙、来年の参議院選挙に勝利する取組みです。解散総選挙の結果は、市町村議員や県議会議員というすそ野を広くしないと国政選挙には勝てないことを改めて教えました。連合の政策を実現する、安倍政権の暴走にストップをかけるためには、民主党県連や社民党県連の皆さんの努力をお願いしなければなりません。同時に、連合山形構成組織自らが組織内議員を増やす努力を重ね、地道に協力議員を増やしていかなければならないと考えています。とりわけ、次期山形市長選、参議院選挙に大きな影響を与える山形市議選で与党議員の過半数獲得が至上命題となっており、最重要選挙と位置づけ取組みます。
ノーベル平和賞の17歳マララさんは銃弾に狙われながら命を懸けて闘っています。「声を上げ行動を起こす時だ。変化を起こしたいならたちあがらないといけない」と呼びかけています。われわれも覚悟と決意を固め、声を上げ、行動を起こし、春闘、統一自治体選挙に勝利しようではありませんか。
結びになりますが、実り多き年になりますようにご祈念申し上げ、挨拶といたします。